この人に注目 生け花師 大坪光泉さん
中国の花を咲かせるために 生け花師の新たな挑戦
日本の文化庁から文化交流使に任命された龍生派の大坪光泉さんは、中国で生け花を通して文化交流活動を行っている。彼は現代生け花界の代表的作家であり、日本ではその挑戦的な作風から「生け花を否定する生け花師」とマスコミで紹介され幾多の話題を提供してきた。そのバイタリティで、さらに今度は中国で貪欲に新しい生け花の追求を開始した。
生け花界の風雲児
大坪さんが北京に来たのは約2年前、ここで自分の生け花を見せることと中国で若い才能を発掘し育てることが目的だ。相撲の世界ですでにモンゴルの力士が活躍しているように、国境を越えて新しい才能を育成すれば、生け花界全体の活性化が図れると大坪さんは考えている。そのため中国では自分の流派を広めることよりも、あくまでその土地で独特に育つ才能に期待をかけている。
これまで大坪さんは、従来の生け花を批判的な目で見、かつ社会の中でこれは許せないというものを生け花を通して表
現してきた。その刺激的な作風によってマスコミからも多く取り上げられ、海外においても数多くの招待講演会や個展を行ってきた。昨年は横浜市の招待企画で、赤レンガ倉庫でジャガイモばかりを使った一カ月間の痛快な個展を開催し話題をさらった。
新しい才能を求めて北京へ
大坪さんは初めは日本を離れてニューヨークやインドで仕事をしたいと考えていたが、そんな折仕事で中国を訪れることに。
「北京に初めて来た時の感激は、私が若い頃に初めて新宿に行った時の感激と同じで、この街は変わった才能を待っているのだという気がしました。北京こそ自分が住むべき街だと思いました」
当初北京に行くことについては、大反対を受けたが、密かに中国語の勉強を続け、着々と北京に来る準備をしていた。
北京に来てからまもなく、文化庁からこれまで長年の海外での活躍が認められ、文化交流使に任命された。任務は中国で日本の生け花のよさを知ってもらうことで、講演で中国の主要大学はほぼ回った。ほとんどの中国人は生け花を見たことがないので、じっくり生け花を観賞してもらえるように、
ショールームも設置した。夜になると多くの人たちが集まって来て、今やちょっとした人気スポットになっている。
中国の生け花師の存在を
知ってもらいたい
中国に来てからの発見もあった。 「中国にも伝統生け花というのがあって、これは日本よりも100年ぐらい古く、しかもその中国の生け花の先生たちは、しばしば日本の先生方よりも上手だったりするのです。特に投げ入れの技術はとても優れています。しかし中国人自身がその存在を知らず、このままでは中国華道は途絶える恐れもあるのです」
そのため、大坪さんはCCTVやNHKが中国華道の特集を組んで記録に残すことを提案する。
「放映すれば、それを見た人の中から生け花の世界でいい仕事をしたいという若い人達も出てくるはずです。そうなれば私も本望です」
大坪さんは、テレビ局がやらないなら自分がやろうとビデオカメラを購入し交流がある中国の生け花師を追いかける準備を開始した。
大坪さんには20代の息子さんがいる。その若い感性とエネルギーが合体して創り出す新しい花芸術と文化交流が今、北京で全開しようとしている。●
大坪光泉Ohtsubo Kosen
栃木県出身。1960年龍生派家元吉村華泉に師事。日本や海外での講演会、展覧会を意欲的に行う一方、龍生派家元顧問として全体の指導にあたる。ホテルロビーの装飾、テレビ舞台装飾、商業イベント装飾(世界万博など)なども手がける。2006年秋から北京在住。
ホームページ:http://www.e-flowerplanet.com
中国語ブログ:http://blog.sina.com.cn/flowerplanet
日本の文化庁から文化交流使に任命された龍生派の大坪光泉さんは、中国で生け花を通して文化交流活動を行っている。彼は現代生け花界の代表的作家であり、日本ではその挑戦的な作風から「生け花を否定する生け花師」とマスコミで紹介され幾多の話題を提供してきた。そのバイタリティで、さらに今度は中国で貪欲に新しい生け花の追求を開始した。
生け花界の風雲児
大坪さんが北京に来たのは約2年前、ここで自分の生け花を見せることと中国で若い才能を発掘し育てることが目的だ。相撲の世界ですでにモンゴルの力士が活躍しているように、国境を越えて新しい才能を育成すれば、生け花界全体の活性化が図れると大坪さんは考えている。そのため中国では自分の流派を広めることよりも、あくまでその土地で独特に育つ才能に期待をかけている。
これまで大坪さんは、従来の生け花を批判的な目で見、かつ社会の中でこれは許せないというものを生け花を通して表
現してきた。その刺激的な作風によってマスコミからも多く取り上げられ、海外においても数多くの招待講演会や個展を行ってきた。昨年は横浜市の招待企画で、赤レンガ倉庫でジャガイモばかりを使った一カ月間の痛快な個展を開催し話題をさらった。
新しい才能を求めて北京へ
大坪さんは初めは日本を離れてニューヨークやインドで仕事をしたいと考えていたが、そんな折仕事で中国を訪れることに。
「北京に初めて来た時の感激は、私が若い頃に初めて新宿に行った時の感激と同じで、この街は変わった才能を待っているのだという気がしました。北京こそ自分が住むべき街だと思いました」
当初北京に行くことについては、大反対を受けたが、密かに中国語の勉強を続け、着々と北京に来る準備をしていた。
北京に来てからまもなく、文化庁からこれまで長年の海外での活躍が認められ、文化交流使に任命された。任務は中国で日本の生け花のよさを知ってもらうことで、講演で中国の主要大学はほぼ回った。ほとんどの中国人は生け花を見たことがないので、じっくり生け花を観賞してもらえるように、
ショールームも設置した。夜になると多くの人たちが集まって来て、今やちょっとした人気スポットになっている。
中国の生け花師の存在を
知ってもらいたい
中国に来てからの発見もあった。 「中国にも伝統生け花というのがあって、これは日本よりも100年ぐらい古く、しかもその中国の生け花の先生たちは、しばしば日本の先生方よりも上手だったりするのです。特に投げ入れの技術はとても優れています。しかし中国人自身がその存在を知らず、このままでは中国華道は途絶える恐れもあるのです」
そのため、大坪さんはCCTVやNHKが中国華道の特集を組んで記録に残すことを提案する。
「放映すれば、それを見た人の中から生け花の世界でいい仕事をしたいという若い人達も出てくるはずです。そうなれば私も本望です」
大坪さんは、テレビ局がやらないなら自分がやろうとビデオカメラを購入し交流がある中国の生け花師を追いかける準備を開始した。
大坪さんには20代の息子さんがいる。その若い感性とエネルギーが合体して創り出す新しい花芸術と文化交流が今、北京で全開しようとしている。●
栃木県出身。1960年龍生派家元吉村華泉に師事。日本や海外での講演会、展覧会を意欲的に行う一方、龍生派家元顧問として全体の指導にあたる。ホテルロビーの装飾、テレビ舞台装飾、商業イベント装飾(世界万博など)なども手がける。2006年秋から北京在住。
ホームページ:http://www.e-flowerplanet.com
中国語ブログ:http://blog.sina.com.cn/flowerplanet
(SUPER CiTY北京 2007年8月号掲載内容)


