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キダム

羽田

住:华山路2038号 新路达商厦南5楼
☎ 021-5169-1717
営:11:00~23:30


ガンコに守り続ける“心”技で伝える和のごはん
 
 「中国へ来る多くの日本人が羽を休められる場所でありたいですね」と語るのは、5月にオープンした「羽田」の料理長を務める宮城島正さんだ。懐かしい家庭の味を良心的な価格で提供する同店は、徐家汇のオフィス街のド真ん中にある。今ではすっかりビジネスマンの憩いの場だ。

 千羽鶴が飾られた明るい店内は、簾で分けられた個室風のテーブル席と、12~50人がゆったり座れる畳の掘りごたつ席。この落ち着いた空間が人気を呼んでいる。

 早速、宮城島さんおすすめの「豚汁ラーメン」をすする。味噌と野菜の甘みが溶け出したスープは、ホッと懐かしい日本を思い出してしまうような家庭の味。コシのある麺にごぼう、にんじんと具だくさん。栄養バランスも取れているから、不規則な食生活になりがちなビジネスマンにはありがたい。

 「実は、豚汁のレシピはないんですよ。中国人スタッフが私の作る味を必死に覚えるんです」と宮城島さん。おいしさのこだわりはここにあるようだ。「日本料理の基本の『合わせ調味料』の比率に忠実なのはもちろん。大切なのはそこに心を入れることなんです」(同)

 経験豊かな一流ホテルのシェフでもレシピ通りに調理するだけでは、食べる人への気持ちは伝わらない。最後の一口までおいしく召し上がってもらえるよう、食べる人を想って1つひとつを丁寧に作る、それが心を入れることだと宮城島さんは言う。

 「上海に来てまで日本料理を作るからには、中国人のスタッフに本格的な味を教えないと意味がありません。だから叱るのも真剣。でも、なぜ叱るのか、理由と意味を分からせるのが肝心なんです」。言葉、文化の壁があるからとそこで妥協せず徹底的に中国人スタッフに伝えようとする。そしてそれに応えるスタッフには信頼を置く、それが宮城島流の育て方だ。

 米一粒ひとつぶの研ぎ方もないがしろにしない。中国産の米でもふっくらツヤツヤしたご飯に炊き上がるのは、両手で拝むように米を潰さないようにやさしく研ぐからだ。忙しくてもおいしいご飯を食べたいという人には「ごはんセット」(15元)がオススメだ。風味豊かな味噌汁とご飯はいくらでもおかわりできる。

 女性客の心もとらえる。ほのかな抹茶の香りのふんわりプディングにパリパリのキャラメルがマッチした「抹茶プディング」は同店イチオシのデザートだ。

 「おいしいものを食べてほしいという気持ちさえあれば…」、その心の入れ方を、上海でガンコなまでに守り続ける宮城島さんの存在が頼もしい。●








宮城島 正総料理長

静岡県出身。静岡で寿司職人として5年、東京で日本料理歴35年と日本料理を究め続けて40年。2001年に上海へ。中国人スタッフに本来の日本料理が持つ味と心を徹底的に伝えようと、調理場での指導には妥協しない。


(上海PLUS 2007年8月号掲載内容)


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