エコロジーの現場から 第19回
中空糸ろ過膜で 中国の水問題に貢献

水質汚染と水不足が深刻な中国では、水環境の整備が緊急課題になっており、従来の水処理方式から膜によるろ過方式への転換が進んでいる。この現状について「中空糸ろ過膜」を中国で展開している旭化成分離膜装置(杭州)有限公司北京分公司の森田尚義総経理に話を聞いた。
中国では膜処理はどのようなところで使われているのでしょうか
私達が中国で主に展開しているのはRO(逆浸透膜)前処理用の膜と、MBR(膜分離活性汚泥法)と呼ばれる廃水処理設備で使われる膜です。MBRは、下水や工場廃水を活性汚泥処理する工程で膜を使う技術で、従来の方式に比べて処理水の水質レベルを向上できるだけでなく、活性汚泥濃度を上げることができるため、施設のコンパクト化が可能です。
私達はこのMBR用の膜を、05年に海南省の中国石油化工集団(1万800トン/日)と広東省恵州市の中国海洋石油とシェルの合弁工業区(2万5000トン/日)向けに受注し、いずれも順調に立ち上げを完了して、現在安定稼動しています。また北京市懐柔区の下水処理場(3万5000トン/日)向けでも受注に成功し、これは今夏稼動開始予定です。
なぜ中国で膜処理が増えているのでしょうか
中国は水源水質の汚染と慢性的な水不足が大きな問題となっています。例えば日本の場合はきれいな水が豊富にあるので、一度使った水を従来の処理技術である程度きれいにして川に流せばさほど問題はありません。
しかし、中国、特に北方では水の絶対量が不足しているので、水の再利用が必要です。ただし従来の処理技術を行っただけの処理水を、景観用や散水用などに利用するには水質上問題があります。そのためよりろ過の効率が高い膜処理が必
要で、これが中国に膜処理がどんどん入ってきている理由です。
海水淡水化について
これはRO(逆浸透膜)で行うため、私達の膜ではできません。ただし、海水をそのままROでろ過すると、目詰まりしてしまうため、その前処理として私達の膜が使われます。
しかしここで考えなければならないのは、海水を淡水に変えてどうするのかということです。たしかに海の水は無尽蔵にありますが、海水を真水に変え飲料水として使う場合、膜代もそうですが、電気代、人件費などコストがかなりかかります。つまり、そこまでしてきれいな水を作る必要があるか、ということです。
きれいな水が豊富な日本では想像できないでしょうが、開発が急ピッチで進む天津など、特に水が不足している地区では、水不足を解消するために多少費用がかかっても海水を真水に変えようという傾向があります。私達もまずは、そういうところから徐々に入っていくつもりです。
中国で膜処理ビジネスを行う難しさは
中国は南北で水環境が異なります。北方は水不足で、大雑把にいうと下水を原水として、再利用しなければならない状況です。一方南方は水は豊富ですが、汚染が進んでいるため、これをきれいにしなければなりません。いずれも、膜を使ってろ過をするのですが、原水の性質や膜処理の目的が異なります。そのため、各地域や市場のニーズに応じた提案を行える技術サポート体制を作っていかなければなりません。
また水をきれいにするというのは複合技術なので、RO技術や従来技術を含め、総合的に提案ができなければ、顧客に受け入れてもらえません。いかにこういったトータルソリューションを提案できるか、その仕組みを作ることも大切です。
私達には経験、技術、知識があります。中国企業のみならず、廃水処理、水の回収で困っている日系企業の方々にもぜひ相談してもらいたいと思っています。
中国で「環境」ビジネスを展開するうえで大切なことは何でしょうか
中国では皆が水の問題で困っています。特に北方では、北京にしても天津にしても、水が圧倒的に不足しています。そのため私達の製品を導入することによって、いかに水を効率的に利用できるかを納得してもらう提案をすることができるかが、とても大切だと考えています。
私達がやっていることは公共性の非常に高い事業だと思っています。中国のみならず地球全体の環境保護に貢献する商品であるという意識を常に忘れないようにすることが大切だと考えています。
水質汚染と水不足が深刻な中国では、水環境の整備が緊急課題になっており、従来の水処理方式から膜によるろ過方式への転換が進んでいる。この現状について「中空糸ろ過膜」を中国で展開している旭化成分離膜装置(杭州)有限公司北京分公司の森田尚義総経理に話を聞いた。
中国では膜処理はどのようなところで使われているのでしょうか
私達はこのMBR用の膜を、05年に海南省の中国石油化工集団(1万800トン/日)と広東省恵州市の中国海洋石油とシェルの合弁工業区(2万5000トン/日)向けに受注し、いずれも順調に立ち上げを完了して、現在安定稼動しています。また北京市懐柔区の下水処理場(3万5000トン/日)向けでも受注に成功し、これは今夏稼動開始予定です。
なぜ中国で膜処理が増えているのでしょうか
中国は水源水質の汚染と慢性的な水不足が大きな問題となっています。例えば日本の場合はきれいな水が豊富にあるので、一度使った水を従来の処理技術である程度きれいにして川に流せばさほど問題はありません。
しかし、中国、特に北方では水の絶対量が不足しているので、水の再利用が必要です。ただし従来の処理技術を行っただけの処理水を、景観用や散水用などに利用するには水質上問題があります。そのためよりろ過の効率が高い膜処理が必
要で、これが中国に膜処理がどんどん入ってきている理由です。
海水淡水化について
これはRO(逆浸透膜)で行うため、私達の膜ではできません。ただし、海水をそのままROでろ過すると、目詰まりしてしまうため、その前処理として私達の膜が使われます。
しかしここで考えなければならないのは、海水を淡水に変えてどうするのかということです。たしかに海の水は無尽蔵にありますが、海水を真水に変え飲料水として使う場合、膜代もそうですが、電気代、人件費などコストがかなりかかります。つまり、そこまでしてきれいな水を作る必要があるか、ということです。
きれいな水が豊富な日本では想像できないでしょうが、開発が急ピッチで進む天津など、特に水が不足している地区では、水不足を解消するために多少費用がかかっても海水を真水に変えようという傾向があります。私達もまずは、そういうところから徐々に入っていくつもりです。
中国で膜処理ビジネスを行う難しさは
中国は南北で水環境が異なります。北方は水不足で、大雑把にいうと下水を原水として、再利用しなければならない状況です。一方南方は水は豊富ですが、汚染が進んでいるため、これをきれいにしなければなりません。いずれも、膜を使ってろ過をするのですが、原水の性質や膜処理の目的が異なります。そのため、各地域や市場のニーズに応じた提案を行える技術サポート体制を作っていかなければなりません。
また水をきれいにするというのは複合技術なので、RO技術や従来技術を含め、総合的に提案ができなければ、顧客に受け入れてもらえません。いかにこういったトータルソリューションを提案できるか、その仕組みを作ることも大切です。
私達には経験、技術、知識があります。中国企業のみならず、廃水処理、水の回収で困っている日系企業の方々にもぜひ相談してもらいたいと思っています。
中国で「環境」ビジネスを展開するうえで大切なことは何でしょうか
中国では皆が水の問題で困っています。特に北方では、北京にしても天津にしても、水が圧倒的に不足しています。そのため私達の製品を導入することによって、いかに水を効率的に利用できるかを納得してもらう提案をすることができるかが、とても大切だと考えています。
私達がやっていることは公共性の非常に高い事業だと思っています。中国のみならず地球全体の環境保護に貢献する商品であるという意識を常に忘れないようにすることが大切だと考えています。
(SUPER CiTY北京 2007年6月号掲載内容)


