Vol.63 銅仁路
明かり輝くストリート。夜の銅仁路はおしゃれなバーが軒を連ね、外国人も多く集う。一方、昼はまた違う姿を見せてくれる。右を向けばインターナショナルなクリニックやカフェ、オフィスが入る最新の高層ビル。左を向けばローカルな街並み。昼に見せる、新旧が混在する上海の顔、そしてその姿に気付かせない夜のネオン。銅仁路は昼と夜の顔を持つ、二面性が魅力の街だ。

上海指折りのバー街
銅仁路の夜は上海にいる世界各国の人が集まるナイトスポットだ。キラキラとした明かりに、1杯何十元もするビールやカクテルを何杯も注文する客たち。眠らないこの街で“夜上海”を謳歌する人たちにとって、銅仁路は最高の遊び場だろう。
北京西路から入るとすぐ右手にある「mint」(①)では、ハウスミュージックがかり、毎日違うイベントでナイトシーンを盛り上げる。毎週水曜の21時から23時半はガールズナイト。店内に入りきらないほどの女性が集まるとか。カクテルやビール、ワインなどドリンクメニューも豊富に揃う。いつもより少しオシャレをして出かけてみてはいかが。
大画面スクリーンが1階、2階に用意されている「MALONE'S」(②)。南京西路へと向かう途中、盛り上がっているお店があればそれがここだ。スポーツイベントの際は、ビール片手に臨場感いっぱいのこの空間で盛り上がる客であふれる。21時半からは毎日バンドの生演奏があり、迫力ある音楽にお酒もすすむ。2階にあるビリヤード台では1杯かけて真剣にゲームをする姿も。さまざまな国の人が訪れるので、異文化交流と洒落込んでみるのもいい。
夜になるとネオンきらめく、安義路から延安中路までのバーが並ぶ通り。その一角にある「Indian Vintage」(③)は、すべてインド人のスタッフでサービスを提供する。1階はバー、2階はインド料理レストラン。レストランは24時まで開いているので、夜遅くなってもおいしいインド料理が楽しめる。中国語のできないここの店員さんとのコミュニケーションは英語かヒンディー語で。まるで本当にインドにいるような錯覚に陥ることだろう。
いつ行ってもワクワクさせてくれる夜の街。嫌なことがあった日はまぶしいばかりのネオンを見に、おいしいお酒を飲みに、アップテンポの音楽を体で感じに、ここ「銅仁路」に来てストレスを発散するのもいい。
いろんな表情を見せる昼
北京西路から南京西路にかけて、直射日光を避けて木陰を歩いてみる。古くからの住宅地が残り、優秀歴史建築もあるこの通りは夜の雰囲気とは180度違う。太陽の明かりの下、夜は気付かなかった昼の顔が見えてくるのもまた面白い。
静安寺エリアのオフィスビルの代表格である「嘉里中心」(ケリーセンター、④)。ヨーロッパやアジア各国の企業が数多く入り、ビルの中にいる人は皆きちっとネクタイ、スーツのビジネスマン仕様だ。うだるように暑い夏の昼下がり、冷房の効いたケリーセンターの中から、スターバックスのコーヒーを片手に窓の外を眺めてみると、昔ながらの街並みに上半身が裸同然のおじさんが工事をしている。涼しいところで休んでいる自分とのギャップに、「今の上海」の縮図を見ているような気分にさせられる。
南京西路から延安中路へ歩くと、看板だけそのまま残り、店自体は閉めてしまっているところが多いことに気付く。そんな中、ここ「超守 中西餐」(⑤)は変わらぬ味をずっと提供している。お昼時ともなれば、地元の人たちや近くで働く会社員でにぎわう。女性老板がきりもりするここでは、懐かしい上海の家庭料理が味わえるのだ。
夜にしか行ったことのない場所、普段昼に訪れる街。太陽が沈む前とあとではきっと違う姿が見えるはずだ。よく知っている場所の新しい顔を発見しに、いつもと違う時間帯にふらっと訪れる。それもまた、上海をさらに知るいいきっかけになるのかもしれない。
(2006年08月掲載)


